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Diary2022/12/31

有明に住んでみた

人生って難しい

有明に住んでみた
本稿は「コミックマーケット101」にて頒布した「サイバーメタルチンピラ2022」に向けて執筆した記事です。

また、⁠この記事は「秋葉原に10年ぐらい住んでみた」の続編です。
先に前編を読んでいただくと話が繋がりますが、⁠ここから読んでも大丈夫です。

新居を探そう

さて、住み慣れた秋葉原を離れるにあたり、どこに住むべきかは悩ましい問題であった。

僕が秋葉原と同じく好きな街は「東京都千代田区丸の内」である。
復刻した東京駅の丸の内駅舎、財閥が長年掛けて整備してきた景観、おしゃれで洗練された店舗群、そして皇居。
もし住めるのなら丸の内が良いなーと前前前世から思っていたのだが、まあ当然無理である。
そもそも丸の内には住居が存在しない。というより仮に存在したとしても億万長者でないと住めない。異世界転生するしかないだろう。

次に好きな街は「東京都大田区羽田空港」である。
広々とした空、整備されたターミナル、飛び交う飛行機、世界と世界をつなぐ玄関。
もし住めるのなら羽田空港もいいなーと思っていたが、これも当然無理である。
空港に住んだという映画があった気がするが、もちろん現実的ではない。

悩みに悩んだ末、たどり着いた結論が「東京都江東区有明」である。
国と東京都が整備した新しい街「東京臨海副都心」、東京国際展示場、ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の聖地、そしてコミケ会場。

そもそも有明って住める場所なの・・・?と思われるかもしれないが、実際のところ有明は住環境としてかなり良い。本稿ではこの有明地区の魅力に迫りたい。

アクセス

東京BRT

まず最初に交通の便について書いておく必要がある。
コミケ参加者ならご存知だと思われるが、りんかい線、ゆりかもめ、都営バスが主な交通手段である。
地図で見てみると有明は紛れもなく都心と呼べる好立地ではあるのだが、やはり秋葉原と比べてしまうと交通面で見劣りしてしまう(流石に山手線圏内には敵わない)。

りんかい線とゆりかもめはやや料金が高いので毎日使うならば多少意識する必要がある。渋谷まで20分500円をどう捉えるかはあなた次第。
都営バスについては電車と比べて微妙かと思われたが、東京駅まで25分200円は意外と便利であり日常利用できる。

すぐ近くに首都高速の出入口があるので、もし車を所有している方なら利便性は格段に高くなる。日常でレインボーブリッジを走れるのはちょっと優雅な気分を味わえて良い。実は羽田空港まで10分ちょっとでいける稀有な場所でもあるので、航空業界の方や旅行好きには最高の立地である。

そんな有明の交通を劇的に改善すると噂されているのが、もうすぐ開業予定の「東京BRT(Bus Rapid Transit)」である。
バスではあるのだが、様々な工夫によって電車と遜色ない定時運行が可能となっており、料金も安く有明~新橋を10分強で移動できるとされている。
築地市場跡地で工事が進められていた環状第2号線トンネルも完成したので交通混雑も解消、BRTが接近すると信号機が青になるような特権もあるとかないとか。
東京BRTが計画通り開業すると有明の利便性は飛躍的に良くなるので、これはコミケ参加者にとっても朗報かもしれない。

それだけではない。なんと今年11月に東京都から「臨海地下鉄新線」計画が発表された。
東京駅から有明の約6kmを結ぶ地下鉄を新設する計画で、完成すると東京駅までわずか10分で移動可能になる。
臨海地下鉄新線は「つくばエクスプレス」と「羽田空港アクセス線」とも接続する構想があり、実現すれば急激に利便性が増す。
着工はしばらく先だが、東京駅まで10分以内となれば有明地区の需要が一気に跳ね上がる可能性を秘めている。

有明の魅力

有明ガーデン

有明といえば東京ビッグサイトを連想する方が大半だと思われる。
他にはTFT、テニスの森、がん研、有明アリーナ、防災公園なども有明のランドマークである。
そして2年ほど前に新しいランドマーク「有明ガーデン」がしれっと誕生していたのをご存知だろうか。

有明ガーデンは有明に誕生した約200店舗規模の大型ショッピングモールである。
スーパーはもちろん、大型書店、スポーツ用品店、マッサージ店、アパレル店など多数。飲食店街とフードコートは選択肢が豊富。
関東最大の無印良品や天然温泉が楽しめる泉天空の湯、8000人収容可能な東京ガーデンシアター、ライオンキング公演中の劇団四季劇場も併設。
コミケ参加者は国際展示場駅を出て右に曲がると思うが、左に曲がって徒歩2〜3分の場所に有明ガーデンがあるので是非帰りに立ち寄ってみて欲しい。

これから先の開発計画も期待度が高い。
現在TFTの隣には空き地が広がっているのだが、こちらにはコナミとテレビ朝日が巨大な複合施設を建設予定である。
多目的ホール、エンターテインメント施設、スタジオ、オフィス、eSports系のスタジオなどができる予定。
巨大な複合施設ができれば、街の利用者も増え、必然的に利便性や魅力も更に増してくるだろうと期待している。

有明地区といえば東京オリンピックのメイン会場だったので、大会期間中は世界中の選手やメディア関係者が有明に集まっていた。
盛り上がりは一旦落ち着いたかと思いきや、2024年春にはFormula Eの開催都市に有明が選ばれた。
Formula EはF1の電気自動車版であり、街中がF1会場のようになると噂されている。またも有明が世界から注目される街になるのは興味深い。

魅力は有明だけではない。有明から少し足を伸ばせばお台場と豊洲がある。
普段は有明ガーデンで十分だが、豊洲に行けばららぽーとがあるので気分転換に足を伸ばすのも楽しい。
お台場はお散歩するには丁度よい距離である。適度に歩いてお台場海浜公園やレインボーブリッジを散策できるのは魅力である。

有明に住んでみた

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そんな魅力たっぷりの有明地区は、言わずもがな地価がずっと上がり続けている。
有明にあるマンション群は値下がりしないどころかずっと値上がりしており、既に買ったときより高く売れる状態になっている。不動産って怖いね・・・。

そして有明ガーデンと一緒に建設された住宅がある。
有明駅から最も近く、有明ガーデン直結の高層タワーマンションである。ラブライブ!の優木せつ菜ちゃんが住んでいる設定だとか。
南東向きは東京湾が一望できるのでゲートブリッジ、羽田空港の滑走路、ディズニーランドの花火を毎日眺めることができる。
さらにコミケ開催中はコスプレ広場を上から眺めることができる(当日は僕も会場内にいるので見たことはないが)。

結論、ビビッときたので即決で購入した。高層階角部屋3LDKで1億円以上したが満足している。
兎にも角にも有明ガーデン併設が魅力的すぎたし、いつでも温泉に入れるのが至福。コミケに歩いていける稀有な環境なのも面白い。
実際に住んでみた感想も期待通り快適であった。これからどんどん魅力的になっていく有明がとにかく楽しみで仕方がない。

去年豪華な結婚式を挙げたし、タワーマンションと高級車も手に入れた。あとは35年ローンに震えながら、有明で優雅で安泰な人生を謳歌するだけである。おーっほっほっほ。

さよなら有明

・・・という夢を見ていたのかもしれない。いや、夢であってほしかった。
ここまで書いたことは全部現実なのだが、離婚によってわずか数年であっけなく崩壊した。

* 主題とは関係ないので、本稿で離婚についてあれこれ書くのは省略する。
どちらが良い悪いというものではない。価値観の変化などから折り合いがつかず、私達の場合は別々の人生を歩んだほうが良いだろうという結論に到達してしまった。いかなる理由であれ残念であることに変わりはない。人生って難しいね。

一人で住むには広すぎるし無駄なので家も車も手放すことにした。住み慣れてきた有明は、年二回しか来ない街に戻ってしまった。これほど虚しいことは滅多にない。家を売って儲かったことだけがせめてもの救い。

話題が逸れたが、有明という街は本当に魅力的であり、将来の発展が期待できる街であることは間違いないだろうと私は断言できる。暮らすもよし、遊びに行くもよし。今後も様々な施設がオープン予定なので、是非コミケ以外の機会にも有明を訪れてみてはいかがだろうか。

ただいま秋葉原

そんなわけで、悲しきかな「秋葉原に帰ってきた」という、まさかの結末である。
もう辛い思いは絶対嫌だし独身でいいやとも思ったが、まだ30代前半なので家庭を持ちたいという気持ちは諦めたくない。しばらく一人の時間を過ごしたら婚活頑張ろうかな。。

幸い沢山の友達に恵まれたおかげでいろいろ救われている。いつも遊びや食事に誘ってくれたり励ましてくれる友人達にこの場を借りて圧倒的感謝。